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客単価を上げる方法。値上げの前に置く「もう一段の選択肢」

客単価を上げる方法。値上げの前に置くもう一段の選択肢

この記事の要点

  • 客単価とは、お客様1人あたりが支払う金額の平均のことで、売上を客数で割って求めます。
  • 客単価を上げる方法は、値段そのものを上げる、上に選べる段を置く、関連するものを添える、の3つに分けられます。
  • お客様が望む状態に届くまで付き添う選択肢を今の商品の上に置き、勧めずに選べる状態にしておくことを「もう一段の選択肢」と呼びます。

客単価を上げる方法を調べると、セット販売やついで買い、値上げのやり方がたくさん出てきます。どれも間違いではないんです。ただ──講座やコンサルのように、形のないサービスを一人や少人数で届けている方には、そのままでは使いにくいものも多いと思うんですよね。

私は企業や講師の方の裏方として、思想や理念を言葉にして、選ばれる事業や仕組みに変えるお手伝いをしています。この記事では、お客様に無理をお願いせずに客単価を上げる考え方を、手順つきでお渡ししますね。

なお、ここで扱うのは講座・コンサル・個人のサービスなど、形のない商品の客単価です。飲食店や小売店で、ついで買いを増やす話ではありません。

客単価とは何ですか

客単価とは、お客様1人あたりが支払う金額の平均のことで、売上を客数で割って求めます。

たとえば、ひと月の売上が30万円で、お客様が10人なら、客単価は3万円です。裏返すと、売上は「客数×客単価」の掛け算でできている、ということなんです。

客数を増やすか、客単価を上げるか。売上を動かすときは、このどちらかに手を入れることになります。

客単価を上げる方法には、どんな種類がありますか

大きく分けると、次の3つです。

  1. 値段そのものを上げる。同じ内容のまま、価格を改める方法です。伝え方は値上げの伝え方に書きました。
  2. 上に選べる段を置く。今の商品の上に、期間や関わり方の違う選択肢を用意する方法です。
  3. 関連するものを添える。本体と一緒に使うと役に立つものを、必要な方に案内する方法です。

この記事で主に扱うのは、2番目です。1番目は、今のお客様全員に同じ変化をお願いすることになります。2番目は、選ぶかどうかをお客様の側に残せる──ここが大きな違いなんですよね。

客単価を上げようとして、うまくいかないのはなぜですか

先に、自分の側を書きます。

売上は客数と客単価の掛け算だと書きましたが、私は客数の側でつまずいたことがあります。自分で開いたセミナーが、直前のご案内になってしまったこともあって、人が集まらなかったんです。内容は充実していたと思うのですが。

人数が思うように増えないとき、もう片方の客単価へ目が向くのは、自然なことだと思います。ただ、客単価を上げようとして手が止まる理由は、次の3つに分けて考えられます。

  1. 売り手の都合で段を作っている。売上を増やしたいところから上位プランを作ると、中身は今の商品に回数や特典を足しただけになりがちです。お客様から見ると、何のために高いほうを選ぶのかが分からないんです。
  2. 全員に上を勧めている。上の段が合う方もいれば、今の商品で十分な方もいます。全員に勧めると、合わない方ほど「売り込まれた」と感じてしまいます。
  3. 値段の差を、中身の量で説明している。「回数が倍」「特典が3つ」は比べやすいのですが、お客様の目的とはつながっていません。量の差だけでは、判断の材料になりにくいんですよね。

……ここ、作っている側からは本当に見えにくいんです。

「もう一段の選択肢」とは何ですか

もう一段の選択肢とは、お客様が望む状態に、より確実に届くために今の商品の上に置く選択肢で、値段の差を「届く状態の差」で説明できるもののことです。

大事なのは、上の段が「今の商品に何かを足したもの」ではないことです。「お客様がその先でつまずく場面まで、付き添うもの」になっているかどうか、なんです。

量を足した上位プランと、もう一段の選択肢の比較例。個別相談の回数が倍と自分で1本作るまで一緒に見る、特典の動画が3本つくと止まった場面に返事が届く、全員に高いほうを勧めると合う方にだけあると伝える
説明のための例です。×は中身の量で差を書き、○はお客様が届く状態で差を書いています。

×の書き方も、嘘ではありません。ただ、お客様が「自分にとって何が違うのか」を、自分で判断しにくいんです。

○の書き方は、受け取ったあとに自分でやってみて、ひとりで止まってしまう場面を先回りしています。値段の差が、その場面を越えられるかどうかの差として読めるんですよね。

もう一段の選択肢は、どう作ればいいですか

考える順番は、値段からではなく、お客様がつまずく場面からです。

もう一段の選択肢をつくる3つの手順。1.その先の場面を書く、2.そこまで付き添う、3.値段の差を届く状態の差として1文にする
値段を先に決めず、お客様がひとりで止まる場面から考えます。
  1. その先の場面を、1つ書く。今の商品を受け取ったあと、お客様がひとりで止まりやすいのはどこか。いただいた質問や、途中で手が止まった方の様子から探します。
  2. その場面を越えるまで、付き添う分を上の段にする。回数や特典を足すのではなく、止まりやすい場面に手が届くかどうかで中身を決めます。
  3. 値段の差を、届く状態の差として1文で書く。「ご自身で1本目を作り終えるまで、一緒に見ます」のように、お客様が自分で確かめられる形にします。

そして、もうひとつ大事なことがあります。下の段だけを選んだ方が、損をしない形にしておくことです。

上の段を選んでもらうために、下の段を削る。そうすると、それはもう選択肢ではなくなってしまうんですよね。ここが、いちばん手を抜きやすいところです。

上位プランは3つ並べたほうがいいですか

3つ並べる型は、比べやすさの点で役に立ちます。使って大丈夫です。

ただ──真ん中を選んでもらうために、わざと選びにくい段を置くと、型に使われてしまいます。段の数は、お客様がつまずく場面の数に合わせれば足ります。2つで十分なこともあると思っています。

客単価を上げるとき、お客様にはどう伝えればいいですか

勧めるのではなく、「こういう選び方もあります」と置いておきます。どんな場面の方に向いているかを書いておけば、合う方は自分で気づけるんです。

「今の内容で十分な方もいます」と、こちらから書いてしまって大丈夫です。そのほうが、上の段を選んだ方も安心して選べます。

なぜ「勧める」より「選べるようにする」のですか

数字を出すのは少し気が引けるのですが、私は裏方として、累計10億円を超える売上に貢献してきました。だからといって、偉そうなことを言うつもりはありません。ただ、売上について私が考えていることを書いておきます。

私は、売上とは想いが届いた数だと考えています。客単価も同じで、お客様がどこまでこちらに任せたいと思えたか、その表れなんだと思うんです。

私は、マーケティングを売る技術ではなく、売り手と買い手の見え方を揃える作業だと考えています。上の段で何が変わるのかを見えるようにして、選ぶかどうかはお客様に残す。煽りや誇大な表現に頼らないやり方を選んでいるのは、そのためです。

そして、誰かのために踏ん張って仕事をしている人ほど、「もう少し払ってください」とは言い出しにくいものだと思っています。言い出しにくいまま、安く抱え込んでしまう。そういう誠実な人こそ、正しく報われる形をつくってほしいんです。

値段を下げたくなったときに確かめることは、値下げする前に確かめる3つの質問にまとめています。あわせて読んでみてください。

保存版・客単価を上げる前の確認リスト

  1. 自分の客単価を、売上÷客数で出してみた
  2. 値上げ・上の段・添えるもの、の3つを分けて考えている
  3. 今の商品のあと、お客様がひとりで止まりやすい場面を1つ書いた
  4. 上の段の中身が、回数や特典を足しただけになっていない
  5. 上の段が、その場面を越えるまで付き添う内容になっている
  6. 値段の差を、届く状態の差として1文で書いた
  7. 上の段が、どんな場面の方に向いているかを書いた
  8. 下の段だけを選んだ方が、損をしない形になっている
  9. 全員に上の段を勧める流れになっていない
  10. 「今の内容で十分な方もいます」と書けている

客単価を上げる方法は、お客様にもっと払ってもらう工夫ではありません。お客様が望む状態まで、どこまで一緒に行けるか。それを選べる形で並べておくことなんだと思います。

私が書いているメールマガジンでも、こうした値段と中身の組み立て方を、実例つきでお届けしています。答えを配るのではなく、その日に自分へ問える一文をひとつ手渡すつもりで書いています。よろしければ、下のご案内からどうぞ。

最後にひとつ、持ち帰っていただければと思います。

あなたの商品を受け取ったお客様は、その先のどの場面で、ひとりで止まっているでしょうか。

よくある質問

客単価を上げる方法には、どんなものがありますか

客単価を上げる方法は、値段そのものを上げる、上に選べる段を置く、関連するものを添える、の3つに分けられます。講座やコンサルなど形のないサービスでは、お客様が望む状態に届くまで付き添う選択肢を、今の商品の上に置く方法が取り入れやすいと考えています。これを「もう一段の選択肢」と呼んでいます。勧めるのではなく、合う方が自分で選べる形にしておくことが大切です。

客単価とは何ですか。計算方法を教えてください

客単価とは、お客様1人あたりが支払う金額の平均のことで、売上を客数で割って求めます。たとえば売上が30万円で、お客様が10人なら、客単価は3万円です。売上は「客数×客単価」で表せるため、売上を動かすには、客数を増やすか客単価を上げるかのどちらかに手を入れることになります。

単価を上げる交渉は、どう切り出せばいいですか

同じ内容のまま値段を上げたいのか、内容を変えて単価を上げたいのかで、切り出し方が変わります。同じ内容なら、値上げのお知らせとして、変わるところと変わらないところを分けて伝えます。内容を変えるなら、今の商品とは別に「もう一段の選択肢」を用意し、どんな場面の方に向いているかを添えて、選ぶかどうかを相手に残します。

S.O
Written by
及川志伸

マーケティングプロデューサー/セールスコピーライター。2015年開業。「想いが、売上になり社会を動かす。」を旗印に、セールスレター・LP制作からファネル設計・運用まで一貫して手がける。

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