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メルマガの開封率の平均は何%か。比べる相手は「自分の平均線」

メルマガの開封率の平均は何%かというタイトルと、比べる相手を自分の平均線に変えるという副題を置いたアイキャッチ画像

この記事の要点

  • メルマガの開封率の平均は、業界別におおむね12.77%から28.14%の幅にあります(Benchmark Email「平均メール開封率・クリック率レポート」2024年度版)。全体の目安としては20%前後を挙げる解説が多く見られます。
  • 開封率は、測り方によって変わる数字です。Appleの「メールプライバシー保護」が有効な受信者では、実際に開いていなくても開封として記録されることがあります。
  • だから比べる相手を「自分の平均線」に変えます。自分の平均線とは、直近10通の開封率を並べたときの真ん中の値のことです。

「メルマガの開封率の平均は何%ですか」という問いには、数字で答えられます。ただ、その数字を自分の配信と比べた瞬間に、話がおかしくなることがあります。

私は企業や講師の方の裏方として、販売の導線をつくる仕事をしています。この記事では、公開されている平均値を先に出したうえで、なぜ平均と比べないほうがいいのか、代わりに何と比べるのかを書きます。

メルマガの開封率の平均はどれくらいですか

メルマガの開封率とは、届いたメールのうち何通が開かれたかの割合です。計算式は次のとおりです。

開封率(%)= 開封数 ÷ 有効配信数 × 100

有効配信数とは、配信した数からエラーで届かなかった分を除いた、実際に届いた数のことです。

業界別の平均値としては、Benchmark Email「平均メール開封率・クリック率レポート(2024年度版)」の数字がよく引用されます(一部を抜粋します)。

  1. 医療:28.14%
  2. 広告・マーケティング・PR・メディア・デザイン:26.41%
  3. コンサルタント・人材:20.33%
  4. ファイナンス:17.94%
  5. 教育(大学、社会人):12.77%

配信サービス各社の解説では、全体の目安として20%前後を挙げるものが多くあります。同じ業界でも、既存のお客様が中心のリストと広告で集めたばかりのリストとでは、数字はさらに離れます。

ここまでが平均です。ただ、この数字を自分の配信の横に置く前に、確かめておくことが2つあります。

開封率とは、何を測った数字ですか

分母が揃っていないことがあります

先ほどの式の分母は「有効配信数」でしたが、配信システムによっては、エラー分を引かない「配信数」を分母にしていることがあります。分母が変われば、同じ配信でも開封率は変わります。数字が2ポイント違ったとき、それが中身の差なのか割り算の仕方の差なのかは、式を見るまで分かりません。

「開封」は、開いた回数そのものではありません

多くの配信システムは、メールのなかに目に見えない小さな画像を1つ置き、その画像が読み込まれたことをもって「開封」と数えています。この方法には、両側にずれがあります。

  • 画像を読み込まない設定で読んでいる人は、しっかり読んでいても開封に数えられません
  • 逆に、Appleの「メールプライバシー保護」が有効な環境では、画像が先に読み込まれるため、本人が開いていなくても開封として記録されることがあります

Appleは、この機能について「送信者がメールを開いたかどうかを知ることを防ぐ」と説明しています。開封率が表しているのは、読まれた回数ではなく、開封として記録された回数です。

……ここ、いちばん抜けやすいところです。

分母の取り方も分子の数え方も、環境によって動きます。物差しが揃っていない数字どうしを並べても、差の意味は読めません。

なぜ、平均と比べても改善しないのですか

先に、自分の話を書きます。以前、参加したセミナーで「受講生が100万円を稼いだ」と紹介されていたことがあります。あとで分かったのは、その受講生はもともと月に100万円を売り上げていて、参加の前後でほとんど変わっていなかった、ということでした。

数字は、確かめるまで意味が決まりません。100万円という数字自体は、嘘ではなかったからです。

業界平均と自分の開封率を並べる作業も、同じ形をしています。平均が20%で自分が14%だったとして、この6ポイントの差が何を意味するのかは、2つの数字を眺めているかぎり決まりません。

  1. リストの性質が違うのか(既存のお客様が中心か、集めたばかりの見込み客か)
  2. 測り方が違うのか(分母、画像の読み込み、受信環境)
  3. 本当に、届け方に問題があるのか

理由が3つあるまま件名だけを変えると、次の号で数字が動いても、何が効いたのか分かりません。動かした変数と動いた数字が結びつかないからです。数字は増やすほど分かるようになるわけではない、という話は報告の数字と「判断の数字」を分けるで書きました。

「自分の平均線」とは何ですか

自分の平均線とは、直近10通の開封率を並べたときの真ん中の値のことです。

平均(合計を通数で割った値)ではなく、真ん中の値を使います。1通だけ跳ねた号や極端に落ちた号があると、平均はそちらへ引っ張られるからです。真ん中の値なら、いつもの状態が残ります。

開封率を業界の平均と比べる場合と、自分の平均線と比べる場合を並べた図。業界平均はリストの性質が違い測り方も揃っていないため差の理由が読めないのに対し、自分の平均線は同じリスト・同じ測り方の直近10通の真ん中の値なので、線の上か下かだけを見れば動いた原因を1つに絞れる、という対比を4組で示している
比べる相手を変えるだけで、次にやることが決まります。

引き方は3つの手順です。

  1. 直近10通の開封率を、配信日・件名と一緒に1枚に並べる(配信システムの管理画面から書き写すだけです)
  2. 10個の数字の真ん中の値を、線として書いておく(10通なら、上から5番目と6番目の平均で構いません)
  3. 次の1通は、その線に対して上か下かだけを見る

この線は、同じリストを、同じ配信システムで、同じ数え方で測った数字だけでできています。だから差が出たときに、原因の候補が減ります。

3か月も経てばリストの中身が変わるので、線はそのつど引き直します。基準は、外から借りるものではなく、自分で更新していくものです。

開封率が下がったときは、何から見ますか

開封率が下がったときに見る順番を3段で示した図。1番目はリスト(いつどこで登録された人か)、2番目は頻度と間隔(どれくらい間が空いたか)、3番目が件名(最後に触る)という順序と、それぞれの理由を一文ずつ添えている
件名は3番目です。最初に触ると、効果が読めなくなります。

1番目:リスト(誰に送っているか)

最初に見るのはリストです。いつ、どこで登録された人が増えたのか。

広告やキャンペーンでまとめて登録が入った直後は、開封率はほぼ必ず下がります。中身が悪くなったのではなく、まだ関係のできていない人の割合が増えただけです。ここを見ずに件名を疑うと、直す必要のないものを直すことになります。

2番目:頻度と間隔(どれくらい会っていないか)

次に見るのは、前回の配信からどれくらい空いたかです。数か月ぶりに届いたメールは、送り手が思っているより「知らない人からのメール」に近づいています。間が空いたぶんは件名の工夫では戻らないので、直すのは頻度のほうです。

3番目:件名

件名を触るのは最後です。上の2つが動いている状態で件名を変えると、数字が動いた理由が2つ以上になります。リストと頻度が落ち着いていれば、件名の差はきれいに出ます。

順番を逆にすると、たいてい空回りします。

なお、何を測るかを事前に決めておく手順はKPIの決め方が難しいときにで書きました。

開封率の先に、何を見ていますか

開封は入口です。件名を強くすれば開封率は上げられますが、中身と合っていない件名で開かせた号は、数字だけが上がってそのあとが動きません。読み終えたあとに何も起きないメールを、人は次から開かなくなります。

私はメルマガを、毎号「答えではなく問いを手渡す」ことを軸に書いています。届いた感想や質問には、私が目を通しています。数字の話をしておきながら矛盾するようですが、いちばん確かなのは、そちらの反応のほうです。

開封率が上がったのに返信が減っているなら、件名が強すぎたサインとして読めます。数字は単独では意味を持たず、何と一緒に見るかで意味が決まります。

なぜ、この話を書いているのですか

私は、煽りや誇大な表現に頼らないやり方を選んできました。

そういうやり方を選んだ人ほど、外の平均値に弱いところがあります。強い言葉を使わないぶん、自分のやり方が正しいのか確かめる材料が少なく、公開されている数字を物差しにしてしまうからです。そして、性質の違うリストの平均値を下回っただけで、届け方そのものを疑いはじめます。

売上は、想いが届いた数だと考えています。開封率は、その途中経過にすぎません。誰かのために踏ん張っている人が、比べる相手を間違えたせいで自分の仕事を安く見積もるのは、もったいないことです。

保存版:開封率を見るときの確認リスト(自分の平均線)

  • 開封率の分母は「有効配信数」か「配信数」か、自分の配信システムで確認した
  • 直近10通の開封率を、配信日・件名と一緒に1枚に並べた
  • その10個の真ん中の値を「自分の平均線」として書き出した
  • 次の1通は、業界平均ではなく自分の平均線と比べている
  • 線を下回ったとき、リスト → 頻度と間隔 → 件名 の順に見ている
  • 件名を変えるときは、ほかの条件を動かしていない
  • 開封率だけでなく、返信・クリックなど「開いたあと」も一緒に見ている
  • 3か月ごとに、平均線を引き直している

こうした数字の見方や、実際の仕事で使っている判断の順番は、お送りしているメールのなかで具体的な例つきでお届けしています。続きを読んでみたいと思われたら、下のご案内からどうぞ。

最後にひとつ、持ち帰っていただければと思います。

あなたの直近10通の真ん中の値は、いくつでしょうか。そして、その線を下回った号があったとき、いちばん最初に疑っているのは、どこでしょうか。

よくある質問

メルマガの開封率の平均はどれくらいですか

Benchmark Email の「平均メール開封率・クリック率レポート(2024年度版)」では、業界別に12.77%(教育)から28.14%(医療)の幅が示されています。配信サービス各社の解説では、全体の目安として20%前後を挙げるものが多く見られます。ただし、既存のお客様が中心のリストと集めたばかりのリストでは大きく離れるため、参考値として扱うのが安全です。

メルマガの開封率の目安は何%にすればいいですか

外の数字を目安に置くより、自分の平均線を目安にすることをおすすめします。自分の平均線とは、直近10通の開封率を並べたときの真ん中の値です。同じリスト・同じ測り方で揃っているため、線を上回ったか下回ったかで、次にやることを決められます。

メルマガの開封率は、配信する時間で変わりますか

変わることはありますが、時間を試すのは最後です。リストの性質や配信の間隔が同時に動いていると、何が効いたのか分かりません。まずリスト、次に頻度と間隔を確認し、そのうえで条件を1つだけ変えて比べてください。なお、Appleの「メールプライバシー保護」が有効な受信者では、開封として記録される時刻が実際に読んだ時刻とずれることがあります。

S.O
Written by
及川志伸

マーケティングプロデューサー/セールスコピーライター。2015年開業。「想いが、売上になり社会を動かす。」を旗印に、セールスレター・LP制作からファネル設計・運用まで一貫して手がける。

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